2011-2012 | Single Video Installation | Single channel video ×1(51mins.30sec.) *Almost Silent. Audio only in some parts.
制作: 2011-2012
制作地: インド、日本
インドに住む盲目の蝋燭職人 Soomraj と、日本からインドに旅に出かけた聾唖の舞踏家、雫境が、インドで初めて出会う映像作品。共通の言語も視覚・ 聴覚情報もない極限的なコミュニケーション手段の中で、互いの存在を認知していく様子を記録したロー ドムービー。コミュニケーションの根源にあるもの を、映像を通してあぶり出そうと試みた観察映画的作品。 大まかな撮影の段取りと、観客が身体を委ねるための緩やかで小さなフィクションが織り込まれているのみで、ほぼ全編にわたり二人のリアルなやりとりである。(二人の出会いから移動中のやりとりは全て、一切の指示をしていない。) 聴覚障がい者の方がいうには、盲の方は日常生活の中ではもっとも関わりがない、遠い存在だという。 どうやってコミュニケーションをとったらいいか見 当がつかず、なるべく接触を避けてしまう存在だと いう。
舞踏家の雫境は、Soomraj の声の振動を手の平で体 に触れることで読み取ろうと試みるなど、相手を理解するために試行錯誤する。一方、盲の soomraj は、 どんと構えた様子で雫境の隣に座り、その姿勢は一 貫しているように見える。互いの障害の違いによるアプローチの違いや勘違いなどが映像の中で重ねられながらも、ときに奇跡的に通じる時を共有して互いをわかっていく姿が映像に記録される。 また、映像はサイレントであり、二人のボディランゲージに解説は加えていない。観客もまた、この困難なコミュニケーションの参加者である。
予告編映像