2013-2014 | 3 screens Video Installation | Single channel video ×3 (①10mins.45sec. ②8mins.29sec. ③13mins.59sec. Each video looped independently) + Documents

制作: 2013-2014
制作地: フィリピン

dancer_pink
Leo_message
pandeboy&girl&dog
sell at sarisari
side19_dieformotherland
side3_dumay&pandesal
side4_across
side8_youare
side11_mycousin
side12_carry
side14_icecream
side18_Rizalwasamoth2
side7_hetoowas
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side19_dieformotherland
side3_dumay&pandesal
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side11_mycousin
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side14_icecream
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楽曲制作: 村上裕

Channel I- introduction 3m58s 
channel II- side story (poetry and reading by Dumay) 8m29s
Channel III- pand ending (Liryc by Vincent Navarro) 13m59s

関連書籍: 展覧会「STAYTUNE/D(企画:長谷川新)」カタログ.
未出版だった水口氏著書の日本語版「非常のジャングルーフィリピン戦線生き残り元日本兵ー」抄録を収録。

予告編映像

イントロダクション

–旅の途中、記録は呆気なく奪い去られた.
手放そう、そう思った時、記憶となった.どこかの誰かの記憶を介して消えて行った、記録の中のパンデサル.誰のものでもなくなった記憶の中の、沢山の温かなパンデサル.それは全ての人の中の、それぞれの暖かなパンデサル.
そう、失われそうなものは、それでもなお呼びかけてくるのだ.その声に、振り向いて向き合うに十分なだけの明日は、またやって来る. jaPandesal2013-2014. 八幡亜樹

* 【PANDESAL】(パンデサル);フィリピンの人々の間で常食として親しまれている、ほのかに甘い、拳大のパン。一つ約2ペソ(5円)。スペイン語で 「塩のパン」の意であることから、スペイン統治時代に始まり、甘党のフィリピン人に合わせて甘いパンへ変化したと考えられている。第二次大戦中、フィリピン・ダバオ市の日本人キャンプに密輸され、飢餓下の日本人達を救った歴史がある(参考文献:水口博之「JUNGLE OF NO MERCY- Memoir of a Japanese Soldier」)。都市中心を離れた地域では、”パンデサルボーイ”と呼ばれるパンデサル売りが現存する。

本作は、パンデサルをめぐる、フィリピンの日常と、そこに接続する第二次世界大戦や植民地時代の歴史を、「ドキュメンタリーミュージカル」という形式で捉えた作品である。同時に、急速にテクノロジーが進んでいく現代社会のなかで、昔ながらの暮らしや価値観を守ろうとする田舎の風景も映し出され、「失われそうなもののなかにある、失われない強さ」というものを、映像はどこか確信的に映し出す。その強さは、パンデサルというものが過酷な歴史を貫通して残ってきたソウルフードであることや、大きな袋から家族や仲間と手に取り合って、共食するものであるという精神的なつながりの強さなどに折り重なっていく。展示空間にループで鳴り響く終わらないエンディングソングとエンドロールは、終焉にある絶望を歌っているのではなく、むしろ終焉にこそ、人類は未来を生きる強さや希望を絶えず見出しゆける存在なのだということを歌っているようでもある。

展示記録

「楽園創造 – 芸術と日常の新地平- vol.7 八幡亜樹展」 2014

ギャラリーαM

展示形態: 映像インスタレーション[3channel videos+ドキュメント展示 ] (3映像の合計 25分 )

展示記録写真:木奥恵三